【小学校受験】夏休みが合格へのカギとなる!〜準備は大丈夫?夏休み学習の進め方〜
こんにちは。つくるです。
6月に入り雨の日が続いていますね。
さて、いよいよ夏休みが近づいてまいりました。
小学校受験において『夏休み』は、とても大切です。
夏休みにつけた力が、秋になって開花して、グン!と伸びていく子も多いのです。
今回は、大切な夏休みの過ごし方や学習の進め方(年長クラス)についてお話しします。
連続講習に参加してみよう!
連続講習に参加してみよう!
このブログを読んでくださっている方の中には、自宅で学習を進めている方も多いことと存じます。
もちろん、しっかりと自宅学習で力をつけていくことが、何よりも大切です。
そして今まで自宅でしっかりと学習してきたお子さんこそ、夏休み講習(連続講習)に参加することをお勧めします。
なぜなのかな?
理由は2つあります。
①【学習の習熟度を知るため】
①【学習の習熟度を知るため】
自宅で学習していると、どのくらいのレベルにいるのかがわからなくなることがあります。集団の中で学習することにより、お子さんの得手不得手や習熟度が見えてきます。
②【集団に慣れるため】
②【集団に慣れるため】
自宅では解けるのに、集団で一斉に問題を出されると、問題が解けなくなってしまうお子さんも多くいらっしゃいます。
どんな環境でも力を発揮できるように、場慣れすることが大切です。
また、幼稚園とは違う集団の中で集団行動ができることが重要です。
でも、なぜ『連続講習』なの?
それは、毎日参加することで、通常の週1回のクラスに参加するよりも大きな効果が得られるからです。
基本クラスになりますと、ペーパー、巧緻性、制作、運動、絵画、行動観察が行われます。
たとえば1日目に行った数量のペーパー問題の難易度を少し上げた問題が2日目に用意されていたりします。ですので、通常のクラスですと、1週間後に用意されている問題を翌日に解くことができるのです。
前日に学んだ基本問題の記憶と感覚がまだ十分残っているため、翌日にさらに一段階進むことによって、無理なくスムーズに力をつけていくことができます。
つまり前日の『わかった!』をすぐに翌日に生かすことができるのです。
行動観察でも同じです。
前日になかなか声が出せなかったお子さんにヒントをあげると、翌日、翌々日と回を追うごとに声が大きくなって、最終日には元気な声で発表することができるようになったりします。運動も前日の感覚が残っているうちに体を動かすので、上達がとても早くなります。
幼児教室で行われる夏期講習には、たいてい一週間程度連続で行われる『連続講習』と、単発で行われる『特別講習』があります。苦手科目を単発の講習で補うことよりも、総合コースの夏期講習をしっかりと連続で参加することが、力をつける近道です。毎日連続で参加することで、知力と体力と気力も身についていくのです。志望校に合わせた講習は、総合コースにプラスして参加するとよいでしょう。
以前、幼児教室の講師をしていた頃、このような質問をよく受けました。
いつも通っている教室で受ける方がいいのかな?
あくまでも私の考えですが、総合コースの夏期講習は、いつも通っている信頼できる先生に見ていただく方がよいと思います。
もちろん日程が合わないなどの事情がある場合は、別の教室に通っても構いません。ただしその場合は、夏期講習で初めてその教室に行くのではなく、その前に特別講習やテスト講習などを受けて、事前に何かしらの授業に参加するとよいでしょう。
さきほども言いましたように夏休みの連続講習はとても重要です。
担当してもらう先生に、今現在のお子さんの習熟度や得手不得手をあらかじめ知っておいていただくことが大切です。
夏休み講習は、大きく力を伸ばす大きなチャンスですので、初日から課題を持って取り組むためにも、先生との信頼関係が重要になります。
そのうえで『志望校コース』や『行動観察講習』などは、別の教室に通ってもよいと思います。
志望校コースは志望校の近くの教室を選ぶとよいでしょう。同じ志望校の子ども達が集まるので、お子さんの習熟度がわかりやすいからです。
『模擬テスト』は、知らない先生や知らないお友だちがたくさん集まる教室や会場で受けてみましょう。夏休みは多くのお子さんが集まりますので、本番を想定した環境でテスト練習ができる絶好のチャンスです。
夏休みの学習(準備)で大切なこと
夏休みの学習(準備)で大切なこと
夏休みは、お子さんの力を伸ばす最大のチャンスです!
学習準備が遅れている子も夏休みで追いつくことができますし、着実に力をつけている子は、夏休みにさらに力を伸ばすことができます。
重要なことは、夏休みから本番の試験日までの準備の仕方(学習の流れ)を把握しておくことです。
本番の日から逆算して、今の時期何をすべきか?を念頭に置いて、学習計画を立てる必要があります。
ペーパーテストと行動観察に分けて、7月からの学習の取り組み方をみていきましょう。
【ペーパー問題の取り組み方】
【ペーパー問題の取り組み方】
まず先に夏休み後の流れを把握しておきましょう。
9月になると、総仕上げの段階に入ります。9月に入ったら志望校に特化した問題を徹底して取り組むことが大切です。
そして10月は本番の試験に向けて、気持ちや体調を整えていくことが大切になりますので、無理をせず復習をしながら、今までつけた力を持続していくことや、自信をつけていくことが重要になります。
それを踏まえた上で
夏休みの7月8月は、色々な問題や難問に挑戦することで、応用問題を解く力を養うことができるチャレンジの時期です。
苦手科目にじっくり取り組むことも大切です。得意科目はスピードアップやミスを少なくすることも意識して難しい問題にどんどんチャレンジしてみましょう。それぞれの科目に課題を持って学習を進めていきましょう。
国立大学附属小学校のみを受験される方は、上記よりも日程に少し余裕があります。10月に総仕上げをして、11月には本番の試験に向けて復習をしっかりしながら、今まで身につけた力を発揮できるよう、気持ちと体調を整えておくことが大切です。
【行動観察(集団あそび)の取り組み方】
【行動観察(集団あそび)の取り組み方】
行動観察が苦手なお子さんは『夏休みがチャンス』です!
お子さんは日々成長しています。年長さんの夏休み頃から、お子さんの社会性が身についていきます。この時期は、幼児から児童に変わる転換期です。
お子さんが成長する夏休みの時期に、成長の糧となる「きっかけ」を体験することができるかどうか?がとても大切です。
そのためにも、夏休み講習の連続講習で毎日先生やお友だちと過ごして、自信をつける「きっかけ」を増やしてあげましょう。
『昨日できなかったことが今日できた!』という成功体験を短期間で得られるのです。これまで見てきたお子さん達の中にも、夏休み前までは集団活動が苦手だったのに、夏休み講習に参加してから、どんどん積極的にお友だちと関わって発言もできるようになっていったケースをたくさん見てきました。
幼児教室に通うだけではなく、初めて会うお友だちと遊ぶ機会を増やしたり、キャンプなどに参加したり、いつもと違う体験を積んでみましょう。体を動かして五感で感じた体験が脳を刺激して、お子さまの心の成長に結びつきます。
また、日ごろあまり会っていない大人(親戚の方)と話しをする機会を増やしてあげましょう。試験では、初めて会う先生と臆せず楽しく会話することが求められます。面接の練習にもなりますので、夏休みの帰省などを利用して、大人と話すことに慣れておきましょう。
そのほかの項目は、どんな準備をすればいいの?
もちろんプリント問題や行動観察以外の項目の準備も、夏休みの間にしっかりと行いましょう。
【制作や巧緻性】
はさみ、のり、クレヨンなど道具の使い方(正しく丁寧にスムーズに使えること)や手先の動かし方(折る、ちぎる、通す、結ぶなど)を身に着けておきましょう。できているお子さんも、もう一度、確認してみてください。スムーズさも大切ですので時間も意識してみましょう。
【生活習慣】
姿勢や挨拶といった日常的なもの以外に、雑巾絞りなどの生活習慣も、夏休みの時期に習得しておきましょう。例えば、テーブルを拭くお手伝いや洗濯物を畳むなど、お手伝いを日課にしてあげてもよいでしょう。お子さんが楽しんで取り組めるよう、たくさん褒めてあげてください。お母さまお父さまからの「ありがとう」の言葉が一番のご褒美です。やる気が「できる」につながっていきます。
【運動や絵画】
『運動が得意なお子さん』
もう一度ひとつひとつの動作(クマ歩き、スキップ、ケンケン、ボールつきなど)が正しくできているかを確認してください。万が一、間違って身についてしまっていても、夏休み期間中に修正することができます。
『運動が苦手なお子さん』
夏休みの間、親子で目標を持って取り組んでみましょう。例えば「今日はボールつきを10回できるように練習しよう!」というように、具体的な目標と課題を持って取り組んでください。そして、たくさん褒めてあげてください。親子で楽しむことも大切です。
『絵画について』
夏休みくらいから人物が描けるようになると良いでしょう。お絵かきを楽しむことが大切です。絵日記を描いてみても良いでしょう。楽しかった体験を絵に描くことで、その体験がより楽しい思い出となり心に残ります。面接の時などに「夏休みの思い出」や「楽しかったこと」を聞かれた時にも、記憶に強く残っていると自信を持ってお話しできます。
出来上がった作品を飾ってあげたり、書きあがった絵について質問したり、お子さんの絵に大人が興味を持ってあげることが大切です。『描かされている』と思って描いた絵は、その心が出来上がった絵に映し出されます。絵を見るとお子さまの心の状態がとてもよくわかるのです。
夏休みの学習(準備)で気をつけること
夏休みの学習(準備)で気をつけること
小学校受験において、夏休みは一番大切な時期です。
一方で、夏休みの学習(準備)の取り組み方を間違えてしまうと、本番の試験までに立て直すことが難しくなります。
私が以前、受け持ったお子さん(B君)のお話しをします。
B君は、年少さんの時から通っていて、難関私立校を目指してとても頑張っていました。お母さまもお父さまも熱心な方でした。B君も一生懸命に取り組むお子さんでしたので、合格に向けて順調に準備が進んでいました。
しかし夏休み講習の8月頃からB君の様子が変わっていきました。
最初の異変は「絵画」に現れました。
B君はとても絵が上手で、絵を描くことが大好きでした。
その「絵」がだんだんと変わっていきました。筆圧がとても強くなり、塗り方も雑になりました。
描いた絵の顔はニコニコしている顔でしたが、描いているB君の表情は以前とは違い、イライラしているのがよくわかりました。
翌日の「行動観察」でも異変が起きました。
B君はハキハキと話しができ、集団の中でもみんなの意見を聞いたりまとめたりでき、お友だちからも好かれる優しく明るいお子さんでした。
しかし、夏期講習の集団あそびで異変が起きました。
B君が一緒のグループの男の子をつき倒してしまったのです。
原因は「まだ、ルールが決まってないのに勝手に遊び始めたから」「ダメと言っても聞いてくれなかったから」とのことでした。
確かに責任感の強いB君にとっては、許せなかったことなのかもしれません。しかし、今までもそういう場面がたくさんありましたが、B君はうまくまとめて皆で楽しく遊ぶことができていましたし、お友だちに乱暴したことも怒ったこともありませんでした。
プリント問題では、回答欄に書く印がとても雑になりました。
ミスも多くなり、できないとプリントをクシャクシャにしてしまいました。
お母様にお話しを伺うと、日曜日は全て模擬テストを受けに行っていて、夏休みに入って毎日のように塾やテストに行き、受験準備をしているとの事でした。
年少さんから、ずっと先頭を走ってきたのです。ここで他の子に追いつかれたくない。これまでの努力を無駄にしないためにも、やれることはやっておきたい。と涙を流してお話ししてくださいました。
私はB君のご両親に、このようにお話ししました。
大丈夫です。十分に力がついています。これからはその力を発揮するだけなのですから。むしろ今、B君に大切な事は、親子で楽しい時間を過ごすことです。
数日間勉強しなくても大丈夫。海や山、プールなど思いっきり夏休みを楽しんでください。お受験を忘れて親子でリフレッシュする事が何よりも大切です。お出かけ先で勉強はしないでくださいね。日曜日のテストもキャンセルしてください。
B君は1週間ほどお休みをし、お受験から離れて、ご家族で夏休みを満喫しました。
いっぱい遊んで真っ黒に日焼けしたB君は、夏休みの思い出の絵を私たちに嬉しそうに見せて、たくさん話してくれました。
元気に教室に通えるようになったB君は、その後は崩れることもなく、無事に暁星小学校に合格をいただくことができました。
B君のお話しのように、熱心な親御さんが不安な気持ちから、毎週日曜日に必ずテストに参加したり、毎日すべての講習に参加したり、過密スケジュールを立ててしまう事があります。
お子さんは、大好きなお母様お父様の思いに応えようと、頑張りすぎてしまいます。しかし、まだ幼いですから、息抜きや気分転換を上手くする事ができません。心が疲弊していきます。心の疲れは、すぐに行動に現れます。『助けて!』という心の叫びです。このサインを見て見ぬ振りしてしまうと、心身ともに不安定になってしまいます。小学校受験を受けるのは、まだまだ幼い子どもです。中学校や高校受験の夏休みのような過密日程は、大きな負担になります。お子さんにとって無理のないスケジュールを立ててあげましょう。
小学校受験において、夏休みにしっかりと学習をすることは、大切なことです。
しかし、やりすぎは禁物です。
お子さんの健やかな成長にとって、伸び伸びと遊ぶことは、勉強よりも大切なことなのです。
そして、健やかな心身こそが合格へとつながるのです。
さいごに・・・
一生懸命頑張っているお子さんやご両親ほど、気持ちが不安定になってしまったり、追い込まれてしまうことがあります。
少しでも「苦しいな」と思ったら、ご不安な気持ちは抱え込まず、お教室の先生にお話ししたり、身近に相談できる方にお話ししてみてください。
大丈夫です。必ず話を聞いて受け止めてくれます。
お父さまお母さまも頑張りすぎないでくださいね!
心身の健康を大切に、時にはお受験を忘れて『リフレッシュ』しましょうね!!