つくるのブログ 小学校受験の道しるべ

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元お受験講師が小学校受験について書きつづります

【小学校受験】夏休みが合格へのカギとなる!〜準備は大丈夫?夏休み学習の進め方〜

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こんにちは。つくるです。

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6月に入り雨の日が続いていますね。

さて、いよいよ夏休みが近づいてまいりました。

小学校受験において『夏休み』は、とても大切です。

夏休みにつけた力が、秋になって開花して、グン!と伸びていく子も多いのです。

今回は、大切な夏休みの過ごし方や学習の進め方(年長クラス)についてお話しします。


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連続講習に参加してみよう!

このブログを読んでくださっている方の中には、自宅で学習を進めている方も多いことと存じます。

もちろん、しっかりと自宅学習で力をつけていくことが、何よりも大切です。

そして今まで自宅でしっかりと学習してきたお子さんこそ、夏休み講習(連続講習)に参加することをお勧めします。

なぜなのかな?

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理由は2つあります。

【学習の習熟度を知るため】

自宅で学習していると、どのくらいのレベルにいるのかがわからなくなることがあります。集団の中で学習することにより、お子さんの得手不得手や習熟度が見えてきます

【集団に慣れるため】

自宅では解けるのに、集団で一斉に問題を出されると、問題が解けなくなってしまうお子さんも多くいらっしゃいます。
どんな環境でも力を発揮できるように、場慣れすることが大切です。
また、幼稚園とは違う集団の中で集団行動ができることが重要です。


でも、なぜ『連続講習』なの?

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それは、毎日参加することで、通常の週1回のクラスに参加するよりも大きな効果が得られるからです。

基本クラスになりますと、ペーパー、巧緻性、制作、運動、絵画、行動観察が行われます。

たとえば1日目に行った数量のペーパー問題の難易度を少し上げた問題が2日目に用意されていたりします。ですので、通常のクラスですと、1週間後に用意されている問題を翌日に解くことができるのです。
前日に学んだ基本問題の記憶と感覚がまだ十分残っているため、翌日にさらに一段階進むことによって、無理なくスムーズに力をつけていくことができます。

f:id:tsukuruno:20190526141517j:plainつまり前日の『わかった!』をすぐに翌日に生かすことができるのです。

行動観察でも同じです。
前日になかなか声が出せなかったお子さんにヒントをあげると、翌日、翌々日と回を追うごとに声が大きくなって、最終日には元気な声で発表することができるようになったりします。運動も前日の感覚が残っているうちに体を動かすので、上達がとても早くなります

POINT

幼児教室で行われる夏期講習には、たいてい一週間程度連続で行われる『連続講習』と、単発で行われる『特別講習』があります。苦手科目を単発の講習で補うことよりも、総合コースの夏期講習をしっかりと連続で参加することが、力をつける近道です。毎日連続で参加することで、知力と体力と気力も身についていくのです。志望校に合わせた講習は、総合コースにプラスして参加するとよいでしょう。


以前、幼児教室の講師をしていた頃、このような質問をよく受けました。

いつも通っている教室で受ける方がいいのかな?

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あくまでも私の考えですが、総合コースの夏期講習は、いつも通っている信頼できる先生に見ていただく方がよいと思います。
もちろん日程が合わないなどの事情がある場合は、別の教室に通っても構いません。ただしその場合は、夏期講習で初めてその教室に行くのではなく、その前に特別講習やテスト講習などを受けて、事前に何かしらの授業に参加するとよいでしょう。

さきほども言いましたように夏休みの連続講習はとても重要です。
担当してもらう先生に、今現在のお子さんの習熟度や得手不得手をあらかじめ知っておいていただくことが大切です。

f:id:tsukuruno:20190526141517j:plain夏休み講習は、大きく力を伸ばす大きなチャンスですので、初日から課題を持って取り組むためにも、先生との信頼関係が重要になります。

そのうえで『志望校コース』や『行動観察講習』などは、別の教室に通ってもよいと思います。
志望校コースは志望校の近くの教室を選ぶとよいでしょう。同じ志望校の子ども達が集まるので、お子さんの習熟度がわかりやすいからです。

POINT

『模擬テスト』は、知らない先生や知らないお友だちがたくさん集まる教室や会場で受けてみましょう。夏休みは多くのお子さんが集まりますので、本番を想定した環境でテスト練習ができる絶好のチャンスです。

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夏休みの学習(準備)で大切なこと

夏休みは、お子さんの力を伸ばす最大のチャンスです!
学習準備が遅れている子も夏休みで追いつくことができますし、着実に力をつけている子は、夏休みにさらに力を伸ばすことができます。

重要なことは、夏休みから本番の試験日までの準備の仕方(学習の流れ)を把握しておくことです。


本番の日から逆算して、今の時期何をすべきか?を念頭に置いて、学習計画を立てる必要があります。

ペーパーテストと行動観察に分けて、7月からの学習の取り組み方をみていきましょう。

【ペーパー問題の取り組み方】

まず先に夏休み後の流れを把握しておきましょう。

9月になると、総仕上げの段階に入ります。9月に入ったら志望校に特化した問題を徹底して取り組むことが大切です。

そして10月は本番の試験に向けて、気持ちや体調を整えていくことが大切になりますので、無理をせず復習をしながら、今までつけた力を持続していくことや、自信をつけていくことが重要になります。

それを踏まえた上で

f:id:tsukuruno:20190526141517j:plain夏休みの7月8月は、色々な問題や難問に挑戦することで、応用問題を解く力を養うことができるチャレンジの時期です。

苦手科目にじっくり取り組むことも大切です。得意科目はスピードアップやミスを少なくすることも意識して難しい問題にどんどんチャレンジしてみましょう。それぞれの科目に課題を持って学習を進めていきましょう。


POINT

国立大学附属小学校のみを受験される方は、上記よりも日程に少し余裕があります。10月に総仕上げをして、11月には本番の試験に向けて復習をしっかりしながら、今まで身につけた力を発揮できるよう、気持ちと体調を整えておくことが大切です。

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【行動観察(集団あそび)の取り組み方】

行動観察が苦手なお子さんは『夏休みがチャンス』です!

お子さんは日々成長しています。年長さんの夏休み頃から、お子さんの社会性が身についていきます。この時期は、幼児から児童に変わる転換期です。

f:id:tsukuruno:20190526141517j:plainお子さんが成長する夏休みの時期に、成長の糧となる「きっかけ」を体験することができるかどうか?がとても大切です。


そのためにも、夏休み講習の連続講習で毎日先生やお友だちと過ごして、自信をつける「きっかけ」を増やしてあげましょう。
『昨日できなかったことが今日できた!』という成功体験を短期間で得られるのです。これまで見てきたお子さん達の中にも、夏休み前までは集団活動が苦手だったのに、夏休み講習に参加してから、どんどん積極的にお友だちと関わって発言もできるようになっていったケースをたくさん見てきました。

POINT

幼児教室に通うだけではなく、初めて会うお友だちと遊ぶ機会を増やしたり、キャンプなどに参加したり、いつもと違う体験を積んでみましょう。体を動かして五感で感じた体験が脳を刺激して、お子さまの心の成長に結びつきます。
また、日ごろあまり会っていない大人(親戚の方)と話しをする機会を増やしてあげましょう。試験では、初めて会う先生と臆せず楽しく会話することが求められます。面接の練習にもなりますので、夏休みの帰省などを利用して、大人と話すことに慣れておきましょう。


そのほかの項目は、どんな準備をすればいいの?

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もちろんプリント問題や行動観察以外の項目の準備も、夏休みの間にしっかりと行いましょう。

【制作や巧緻性】

はさみ、のり、クレヨンなど道具の使い方(正しく丁寧にスムーズに使えること)や手先の動かし方(折る、ちぎる、通す、結ぶなど)を身に着けておきましょう。できているお子さんも、もう一度、確認してみてください。スムーズさも大切ですので時間も意識してみましょう。

【生活習慣】

姿勢や挨拶といった日常的なもの以外に、雑巾絞りなどの生活習慣も、夏休みの時期に習得しておきましょう。例えば、テーブルを拭くお手伝いや洗濯物を畳むなど、お手伝い日課にしてあげてもよいでしょう。お子さんが楽しんで取り組めるよう、たくさん褒めてあげてください。お母さまお父さまからの「ありがとう」の言葉が一番のご褒美です。やる気が「できる」につながっていきます。

【運動や絵画】

『運動が得意なお子さん』

もう一度ひとつひとつの動作(クマ歩き、スキップ、ケンケン、ボールつきなど)が正しくできているかを確認してください。万が一、間違って身についてしまっていても、夏休み期間中に修正することができます。

『運動が苦手なお子さん』

夏休みの間、親子で目標を持って取り組んでみましょう。例えば「今日はボールつきを10回できるように練習しよう!」というように、具体的な目標と課題を持って取り組んでください。そして、たくさん褒めてあげてください。親子で楽しむことも大切です。

『絵画について』

夏休みくらいから人物が描けるようになると良いでしょう。お絵かきを楽しむことが大切です。絵日記を描いてみても良いでしょう。楽しかった体験を絵に描くことで、その体験がより楽しい思い出となり心に残ります。面接の時などに「夏休みの思い出」や「楽しかったこと」を聞かれた時にも、記憶に強く残っていると自信を持ってお話しできます。
出来上がった作品を飾ってあげたり、書きあがった絵について質問したり、お子さんの絵に大人が興味を持ってあげることが大切です。『描かされている』と思って描いた絵は、その心が出来上がった絵に映し出されます。絵を見るとお子さまの心の状態がとてもよくわかるのです。

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夏休みの学習(準備)で気をつけること

小学校受験において、夏休みは一番大切な時期です。
一方で、夏休みの学習(準備)の取り組み方を間違えてしまうと、本番の試験までに立て直すことが難しくなります。


私が以前、受け持ったお子さん(B君)のお話しをします。

B君は、年少さんの時から通っていて、難関私立校を目指してとても頑張っていました。お母さまもお父さまも熱心な方でした。B君も一生懸命に取り組むお子さんでしたので、合格に向けて順調に準備が進んでいました。

しかし夏休み講習の8月頃からB君の様子が変わっていきました。

最初の異変は「絵画」に現れました。

B君はとても絵が上手で、絵を描くことが大好きでした。
その「絵」がだんだんと変わっていきました。筆圧がとても強くなり、塗り方も雑になりました。
描いた絵の顔はニコニコしている顔でしたが、描いているB君の表情は以前とは違い、イライラしているのがよくわかりました。


翌日の「行動観察」でも異変が起きました。

B君はハキハキと話しができ、集団の中でもみんなの意見を聞いたりまとめたりでき、お友だちからも好かれる優しく明るいお子さんでした。
しかし、夏期講習の集団あそびで異変が起きました。
B君が一緒のグループの男の子をつき倒してしまったのです。
原因は「まだ、ルールが決まってないのに勝手に遊び始めたから」「ダメと言っても聞いてくれなかったから」とのことでした。
確かに責任感の強いB君にとっては、許せなかったことなのかもしれません。しかし、今までもそういう場面がたくさんありましたが、B君はうまくまとめて皆で楽しく遊ぶことができていましたし、お友だちに乱暴したことも怒ったこともありませんでした。


プリント問題では、回答欄に書く印がとても雑になりました。
ミスも多くなり、できないとプリントをクシャクシャにしてしまいました。


お母様にお話しを伺うと、日曜日は全て模擬テストを受けに行っていて、夏休みに入って毎日のように塾やテストに行き、受験準備をしているとの事でした。
年少さんから、ずっと先頭を走ってきたのです。ここで他の子に追いつかれたくない。これまでの努力を無駄にしないためにも、やれることはやっておきたい。と涙を流してお話ししてくださいました。

私はB君のご両親に、このようにお話ししました。

大丈夫です。十分に力がついています。これからはその力を発揮するだけなのですから。むしろ今、B君に大切な事は、親子で楽しい時間を過ごすことです。
数日間勉強しなくても大丈夫。海や山、プールなど思いっきり夏休みを楽しんでください。お受験を忘れて親子でリフレッシュする事が何よりも大切です。お出かけ先で勉強はしないでくださいね。日曜日のテストもキャンセルしてください。


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B君は1週間ほどお休みをし、お受験から離れて、ご家族で夏休みを満喫しました。

いっぱい遊んで真っ黒に日焼けしたB君は、夏休みの思い出の絵を私たちに嬉しそうに見せて、たくさん話してくれました。
元気に教室に通えるようになったB君は、その後は崩れることもなく、無事に暁星小学校に合格をいただくことができました。

B君のお話しのように、熱心な親御さんが不安な気持ちから、毎週日曜日に必ずテストに参加したり、毎日すべての講習に参加したり、過密スケジュールを立ててしまう事があります。
お子さんは、大好きなお母様お父様の思いに応えようと、頑張りすぎてしまいます。しかし、まだ幼いですから、息抜きや気分転換を上手くする事ができません。心が疲弊していきます。心の疲れは、すぐに行動に現れます。『助けて!』という心の叫びです。このサインを見て見ぬ振りしてしまうと、心身ともに不安定になってしまいます。小学校受験を受けるのは、まだまだ幼い子どもです。中学校や高校受験の夏休みのような過密日程は、大きな負担になります。お子さんにとって無理のないスケジュールを立ててあげましょう。


小学校受験において、夏休みにしっかりと学習をすることは、大切なことです。

しかし、やりすぎは禁物です。

お子さんの健やかな成長にとって、伸び伸びと遊ぶことは、勉強よりも大切なことなのです。
そして、健やかな心身こそが合格へとつながるのです。


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さいごに・・・

一生懸命頑張っているお子さんやご両親ほど、気持ちが不安定になってしまったり、追い込まれてしまうことがあります。

少しでも「苦しいな」と思ったら、ご不安な気持ちは抱え込まず、お教室の先生にお話ししたり、身近に相談できる方にお話ししてみてください。

大丈夫です。必ず話を聞いて受け止めてくれます。

お父さまお母さまも頑張りすぎないでくださいね!
心身の健康を大切に、時にはお受験を忘れて『リフレッシュ』しましょうね!!

【小学校受験】絵画テストのポイントと注意点

こんにちは。つくるです。
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小学校受験の項目のひとつに『絵画』があります。

今回は【絵画】についてポイントと注意点をお話しします。


首都圏 私立・国立小学校合格マニュアル 入試準備号〈2020年度〉


【絵画テスト】には大きく分けて2つあります。

ひとつは個別で描く絵画、もう一つは集団で描く共同絵画です。

それぞれのテストについてお話ししていきましょう!

個別で絵を描く『絵画テスト』について

1人に一枚ずつ紙が配られて、 課題(テーマ)に沿った絵を描くテストです。

「どんな課題(テーマ)なのかな?」

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出題される『課題(テーマ)』には2つのタイプがあります

【 ① 思い出や日頃の様子を描かせるもの。】

具体的に例を挙げてみます。

【例題】
『幼稚園で遊んでいる絵を描きましょう』
『夏休みの思い出の絵を描きましょう』

このように思い出や日常の様子がテーマになります。

お休みの日の様子や夜ご飯を食べている絵など、
特に、家族の姿を描かせるテーマはよく出題されます。

f:id:tsukuruno:20190526141517j:plain 必ず、お父さんお母さん兄弟姉妹など、 家族全員を描きましょう!


学校側が見ているポイントは何だろう?

家族の絵を描く課題では、学校側はお子さんの描いた絵を通して『家族の様子』を見たいのです。
面接や願書などでは見えてこない本当の家族の様子を子どもの絵を通して見ようとしています。

とはいえ、お仕事が忙しくて、なかなか家族揃って食事をしたり遊んだりすることが難しいご家庭もあるかと思います。
お休みの日だけでもよいので、家族そろって食卓を囲んで楽しく食事をしたり、近所の公園で遊んで 家族で過ごす楽しい時間をつくりましょう。

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「家族の思い出の絵が出題されたら、夏休みの旅行の絵を描きなさい。」「おうちでご飯を食べている絵が出題されたら、(いつもは会話もあまりなく家族揃って食事しないけれど)家族そろってニコニコ笑って食事している絵を描きなさい」など、お子さんに指示をして、描く絵を準備させてしまう親御さんがいらっしゃいます。

本番の試験では、描いている絵について先生が質問を投げかけてきます。お子さんは素直ですし、先生は巧みに質問をしてきますので「絵を描くときは家族そろって描くように言われているから描いた」ということが知られてしまうことが多々あります。
とはいえ、お仕事が忙しいお父さまが毎晩家族と一緒にお食事をするのは難しいと思いますので、毎日でなくても大丈夫です。その代わり、お休みの日は楽しく食卓を囲んでください。そしてその食事ではお子さんとの会話を楽しんでください
お子さんは、楽しく過ごした時のことが印象に残りますので、日曜日の楽しい家族の絵を喜んで描きます。「日曜日はお父さんもお仕事がお休みなので、お休みの日は、家族みんなでお母さんの作ったご飯を食べることができて楽しくて嬉しいです」ということが学校側にわかれば十分です。


「でも、何を描けばいいのかなぁ・・・」

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まずは、自由に好きなように絵を描いてみましょう!
描くことを楽しむこと、好きになることが大切です。
お母さんお父さんは描いた絵について、楽しみながら、たくさん質問してあげてください。

それでも、どんな風に描けばいいのか迷っているお子さんには
例えばお休みの日の家族の絵を描くという課題でしたら、
「この前の日曜日、○○公園でお父さんとお母さんと一緒によーいどんのかけっこして楽しかったよね!」と話したり、
おうちでご飯を食べている絵の場合は「お母さんは日曜日にお父さんも一緒にみんなでご飯を食べる時が楽しくて大好きだなぁ。ご飯も美味しい!って思うのよね」など、楽しい記憶が引き出せるようにヒントをあげると良いでしょう。楽しく描くことが何よりも大事です。

POINT

お友だちと遊んでいる絵や幼稚園での様子を描く場合は、必ず自分と一緒にお友だちや先生も描きましょう。お子さんが1人でいる絵を描いた時は「誰と一緒に遊んだのかな?」「○○ちゃんも一緒に描いてあげようね」と声をかけてあげてください。

では続いて、課題(テーマ)の二つ目をみてましょう!

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【② 『想像したもの(こと)』を描かせるもの。】

具体的に例を挙げてみます。

【例題】
(ドアの絵を見ながら)
『どこにでもいけるドアです。このドアを通ってあなたが行きたい場所の絵を描きましょう』

(桃太郎と鬼ヶ島の絵を見ながら)
『あなたが桃太郎だったらお供に誰を連れていきたいですか?お供を連れている様子を描きましょう』

例題は早稲田実業初等部で出題された絵画テストです。
このように、お子さんの想像力を駆り立てて、描かせるテストです。

f:id:tsukuruno:20190526141517j:plain近年多く出題されているタイプの課題は、この【想像画】です!

学校側が見ているポイントは何だろう?

学校側は、お子さんの発想力想像力を見ています。
そして想像することを楽しんでいるかどうかも見ています。
上記の例題のように何かを見ながら描かせるテストも多いです。
そして、その絵について質問をしてきます。お子さんが生き生きと会話を楽しむことが大切です。

行動観察重視校では「想像画」からお子さんの持っている好奇心や個性、どんなご家庭(ご両親)なのか、ということも見ているのです。

想像の世界を楽しむことが大切です。子どもはもともと想像や空想の世界が大好きです。
日頃から、想像力を広げてその世界を楽しみましょう。

そのためには、まず、お子さんの発想力や想像力を引き出すような会話を楽しむことが大切です。
例えば「魔法のじゅうたんで不思議な国に行きました。どんなところかな?」
とお子さんに聞いてみたり、「お父さんはこんな場所に行ってみたいな」と
とお父さんお母さんも一緒に想像して楽しんでみましょう。

「でも、何を描けばいいんだろう・・・」

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まずは先ほどのように、想像の世界を十分に楽しんだ後、
「じゃあ絵に描いてみよう!」と言って、想像したことを絵に描いてみましょう。

描いた絵について、「どんなところを描いたのか」「これは何?」「不思議な乗り物だね!どんなことができるの?」と、たくさん聞いてあげてください。お子さんの世界がどんどん豊かに広がっていきます。

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POINT

絵本やお話を読んだ後に、その絵本の世界の続きについて描いたり、「絵本に出てきた魔法が○○君も使えるなら何がしたい?」と「もしも・・・」の世界を絵本を手掛かりに親子で楽しんでみてください。想像力を広げていくことの楽しさを知るとお子さんの好奇心も広がっていきますよ。


つぎに、集団で描く『共同絵画』について見てみましょう。


集団で絵を描く『共同絵画』について

「どんなテストなのかな?」

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行動観察の集団テストで実施されます。

【例題】
3、4人ぐらいのグループに分かれる。動物のいない動物園の絵が描いてある模造紙が一枚置かれている。他にクレヨンが1セットのみ用意されている。
「みんなで相談して、柵やおりの中に動物を描きましょう」

f:id:tsukuruno:20190526141517j:plainつまり「共同絵画」とは、子ども同士協力して一枚の絵を仕上げる集団テストです。

学校側が見ているポイントは何だろう?

行動観察のテストですので、集団でのお子さんの様子を見ています。

好き勝手に描くのではなく、お友だちと相談しながら楽しく描くことができるか?ということがとても重要です。

【具体的なポイントは3つあります。】

1. お友だちと相談することができるかな?

自分の意見を伝えながら、お友だちの意見も聞いて、相談して決めることが大切です。

2.道具をお友だちと一緒に使うことができるかな?

クレヨンなどを独り占めせず、お互いに貸し借りできることが大切です。

3. お友だちと一緒に楽しむことができるかな?

自分の意見が通らなくても、気持ちを切り替えてみんなと一緒に楽しむことや使いたいクレヨンを使う順番がなかなか回ってこなかったり、独り占めにしている子がいても違う色を使って描く柔軟性を持つことが大切です。

4. 作業している間の姿勢や道具の使い方は正しいかな?

ついつい夢中になってしまうと使っているクレヨンを折ってしまったり、床に座って描くときに寝転がってしまったりしてしまうことのないようにしましょう。



☆集行動観察のポイントについてはこちらをご参考ください。
tsukuruno.hatenablog.com


お絵かきが苦手なお子さんはどうしたらいいの?

絵を描くことが苦手なお子さまもいらっしゃると思います。

幼児教室に勤めていた時も「絵画教室に通った方がいいですか?」という質問をよく受けました。

結論から言うと、小学校受験のために絵画教室に通う必要はありません。

なぜなら、学校側は絵画テストに完璧な絵を求めていないからです。


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幼児教室で講師をしていた時のエピソードを紹介します

A子ちゃんは、年長さんのテストの時に初めて教室に来てくれました。
普段は個別の塾と絵画教室に通っているということでした。
総合力の高いお子さんでしたが、ひとつだけ気になることがありました。
それは『絵画』です。

「魔法の国の生き物の卵から、不思議な生き物が出てきました。どんな生き物かな?」
確かこのような課題だったと思います。

A子ちゃんは、迷わずスラスラと孔雀が羽を広げた絵を描きました。

画用紙に大きく描かれた孔雀の絵は、上手に描けています。
クレヨンの側面を使って塗ったり、数本のクレヨンを同時に用いたり、手でぼかしを入れたりと様々な技法を使っていました。

しかし絵画の点数は、あまり高くはありませんでした。

なぜでしょうか?

想像力が乏しいと判断されてしまった事も理由のひとつではありますが、その他に「こういう課題の時はこの絵を描く」という決まり通りに描いていることが、絵を描く様子からもわかりました。自宅で孔雀の絵をたくさん練習しているようです。また「どうしてこの絵を描いたのかな?」という質問にA子ちゃんは言葉に詰まってしまい、答えられませんでした。

f:id:tsukuruno:20190526141517j:plain テストの採点ポイントは絵が上手かどうかではありません。

子どもらしく、伸び伸びと(想像力豊かに)描くことが重要です。
ですので、むしろ年齢不相応の高度な技術は使うべきではありません。

その後、教室に通ってくれるようになったA子ちゃんには、
好きな絵を楽しく好きなように描いてごらん!と声がけをするようにしました。
お母さまから聞いたところ「絵画教室で、この絵(孔雀)を描けばよい」と言われたので、いつも孔雀を描くように言ってしまっていたそうです。

丁寧に色を塗ることは大切ですが、技法を凝らす必要はありません

絵画というは不思議です。
子どもが楽しんで描いているのか、そうでないのかが、すぐにわかります。
描いている様子でもわかりますし、出来上がった絵を見てもわかります。
良くも悪くも子どもの心が映し出されるものなのです。

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絵の練習はしなくていいの?

志望校に『絵画テスト』が実施されるのなら、絵の練習をしましょう。

高い画力は必要ありませんが、年相応の絵を描く力をつける必要があります。

苦手意識を持ちやすいのが絵画です。
どうやって描いたらいいかわからない。自信がない。という気持ちが先に出てしまい、絵が小さくなってしまったり、描くことが嫌になってしまうお子さんも多くいらっしゃいます。

苦手意識を持たないように、さいころから、なぐり書きや大きな紙に絵を描くことを楽しむ経験を積むことが大切です。
そして日頃から、お子さんの絵を褒めてあげてください。

いつから練習すればいいの?

年長さんになってからで十分間に合います。

年長さんになる前から「こうやって描きなさい」と教える必要はありません。
しかし、年長さんになっても絵を描くことが苦手でどうしても描けないお子さんには、絵の描き方を教えてあげる必要があります。

苦手な子にどうやって教えたらいいの?

f:id:tsukuruno:20190526141517j:plainお受験用の絵画の練習のポイントは3つあります。
① クレヨンの使い方から教えましょう。

まずはクレヨンの使い方から教えてあげてください。
例えば画用紙に肌色で丸を描いて塗りつぶし「肌色の上からなら目や鼻や口が描ける」ということを知ることが大切です。
苦手なお子さんは最初に目を描いてしまってから肌色を塗ろうとして、色が混ざってしまいグチャグチャになってしまうことがあります。
クレヨンの特性を知ることから始めてみてください。

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② 画用紙に大きく描く練習しましょう

上記にも書きましたが、画用紙に大きく肌色で丸を描いて、画用紙に大きく顔を描いてみてください。
親御さんも一緒に描いてみてください。細かく教える必要はありません。
親御さんが画用紙に大きく描いている様子を見て、お子さんは必ず真似をします。
絵は真似から始めることが上手になる近道です。
ですのでお父さんお母さんが一緒にお絵かきをしてあげてください。

③ 正面の絵でよいので人物画を練習しましょう。

まずは顔を描いてみてください(首、肩があってもよい)。その際、目や鼻や口や耳があることなどを自分の顔を鏡で見て確かめながら描いてみるのもよいでしょう。
楽しく親子で描いてみてください。
まずは自分の顔を描いてみましょう。その後、家族みんなの顔を描いてみるのもいいでしょう。
大きく描けたら「上手に描けたね!」と褒めてあげてください。絵を飾ってあげましょう。とても嬉しいことですし自信につながります。

顔の後、同じ大きさの画用紙で全身を描く練習をしてみましょう。
「肩って頭よりも大きいね。腕ってこのくらい長いね。」と、親子で自分の体を鏡などで見ながら、体のバランスなども意識して描くとよいでしょう。

POINT

絵画が苦手な子は多いのですが、苦手な子が、苦手意識が無くなって絵を描くことが好きになり、どんどん自信をつけていき、短期間の絵画講習だけで、見違えるように生き生きとした絵を描くようになる姿もたくさん見てきました

あせらずに、まずは親子でお絵かきを楽しんでみてください。

小学校受験のための絵画の練習テキストを2冊、ご紹介します】



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『合格』がゴール?【伸びる子】を育てるために大切なこと。~お受験コラム~

こんにちは。つくるです。
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小学校受験合格のために、一生懸命準備をしているお子さんやご家族も多いことと思います。

今回は、お受験教室にいた時には、
言いたくても言えなかった本音も交えて
小学校受験の心構えをお話しします。

小学校受験は理不尽?!

今までも何度か書きましたが、
小学校受験は実力だけではなく様々な面から合否判定をされるので
採点基準が明確でないという点が、小学校受験をより難しいものにしています。

つまり小学校受験は、採点基準が曖昧な

とても理不尽な試験なのです。

このことを忘れずに受験に取り組むことが大切です。

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曖昧な合格判定

私立小学校では、縁故が一番の合格基準です。

国立小学校は公平を期すために抽選がありますが、合格判定を受けた子が抽選で落ちてしまう事があるという点で、私はこの抽選に大きな違和感を感じます。

さらに多くの学校が重要視している「行動観察」においては合格基準がとても曖昧です。

おとなしいタイプのお子さんが合格したと聞いて
『あの子よりもうちの子の方が、元気で伸び伸びと参加できたはずなのに・・・』
と思われる親御さんの気持ちもよくわかります。


以前、国立小学校の先生が、

積極的なタイプのお子さんばかり集めてしまうとクラス運営が難しくなるので
バランスよく色々なタイプの子を選んでいます。

とおっしゃっていました。

つまり 学校側の都合で合格条件が変わるのです。


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小学校受験に必死になりすぎないで。

お父さまお母さまの中には、熱心にお受験に取り組むあまり、特に夏休みを過ぎたころから、
気持ちが不安定になってしまい、お子さんの失敗を強く叱ってしまう方がいらっしゃいます。

お気持ちは十分わかります。

でも夢中になりすぎて、大人が冷静さを失わないようにしましょう。

お子さんのプリント学習が思うように進まなかったり、苦手領域がなかなか克服できなくイライラしてしまうこともあると思います。

しかし、お子さんを責める必要はないのです。

なぜなら先ほども言いましたが、
小学校の受験は、そもそも理不尽な試験なのですから。


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小学校受験の心構え

お父さまお母さまは、一生懸命に取り組みながらも、必死にはならず、頭の半分では常に冷静に客観的な思考を持ちましょう。

お子さんの良いところを一番よく知っているのは、ご両親なのです。

そしてお子さんの可能性は、小学校受験に関わらず無限大です!

もちろん小学校受験のための準備をしっかりと行うことは重要です。
一生懸命頑張っているお子さんのためにも、親御さんがするべき準備はしっかりと行いましょう。


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『合格』がゴールじゃない!

小学校受験は他の受験とは違い、
圧倒的に学校側の都合に合わせて行なわれる試験です。

だからこそ、もし、ご縁がいただけなくても
『失敗した』なんて思わないでください。


お子さんの頑張りが合格に結びつかなかったことは、本当に悔しく残念です。
その上、能力が正当に評価されない場合も多くあるのですから、納得できない悲しい気持ちも痛いほど、よくわかります。

でも、失敗ではなく、ただご縁が無かっただけのことです。


実は、今まで私は「合格した子」よりも
「合格できなかった子」の中から、その後に大きく羽ばたいているお子さんをたくさん見てきました。

その反対に、小学校受験で入学したお子さんが、中学生高校生になるにつれ、挫折感を味わってしまう姿も多くみてきました。


例えば附属小学校の場合、【小学校受験】で入学した子は、中学生になると、中学受験をしてきたお子さんと、高校生になると高校受験を勝ち抜いてきた子と同級生になります。

必死に勉強してきた成績の優秀なお子さんが、周りにどんどん増えていきます。
内部進学者とは比べものにならないくらい、
多くの勉強量を積み重ねてきたお子さん達です。

優秀なお友だちが増えていく中で、次第に成績が下がってしまい、劣等感を抱いてしまい、次第に勉強が嫌いになってしまう子もいるようです。


では「小学校受験合格の子どもたちが伸びないのか?」というとそれも違います。

将来伸びるかどうかは、受験の合否とは、全く関係ないのです。

より良い環境の中で伸び伸びと学んだ小学校での経験は、能力を高め、豊かな人間性を育むことができることも事実です。


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将来『伸びる子』って、どんな子?

以前、国立附属小学校の先生から、こんなお話を伺いました。


小学校受験で考査で重要視しているのは、将来『伸びる子』かどうかです。
でも、この『伸びる子』とは単純に勉強ができるということを言っているわけではありません。
勉強にしても、テストの点数を取るのが目的ではなく、興味があるから、面白いからやっている。だから苦しいと思わず夢中になることができる。
自分の興味のあることを自主的に学ぶことを楽しみ、それに納得するまで取り組む力を持っている子が、将来伸びていく子なのです。
「好奇心旺盛な子は将来伸びる」
「好奇心が脳を活性化させる」

という学術的データもあるのですよ。


この話をお聞きして、「なるほど」と感じました。同時に、学校が求める子ども像が見えてくるお話しだと思います。

『伸びる子』を育てるために大切なこと

中学校や高校に進学してからも学力が伸びている子と、そうではない子との違いについて、こんな話があります。

中学生になってからも成績が伸びていくお子さんは、幼児期から好奇心が旺盛で、興味のあることについて、積極的に本や図鑑などを使って調べて、知識を蓄えることでさらに好奇心を高めていたそうです。

そして親御さんは、例えば昆虫や動物などの子どもが興味を持って調べた事を尊重し、実物を見るために戸外へ一緒に行くということをしたそうです。

ポイント!

つまり、本や図鑑でみた世界を実際に見て触って五感を使って確かめること、体験につなげていくことが脳の発達や人間性を育むために大切です。また、周りの大人たちが、お子さんの興味と好奇心に共感してあげることも大事です。

受験勉強の頑張りを将来に繋げていくためにも
こういった『幼児期の活動』がとても大切なのでしょうね。



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【小学校受験ペーパーテスト数量】プリントに書きこみ(数字など)をしていいの?

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こんにちは。つくるです。

少し体調を崩してしまい、お休みしていました。

今回は、数量の問題に関するお話しです。

この前、このような質問をいただきました。

数量の問題を解く時、プリントに数字や数式を書いてもいいのですか?

具体的に例文をあげてみます。

りんご9個、みかん7個が書かれていて、
「どちらがいくつ多いですか?その数だけ丸をかきましょう」
という設問を解くときに

数を数えて問題用紙のリンゴの下に9と書き、
バナナの下に7と書くことが…

アリかナシか?

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『うちの子は、数字を書いていたけれど合格できました!』

『数字を書かない方がいいと言われて、数字を書かずに解く練習をしています!』

人によって様々なコメントが返ってきますので、
なおさら混乱する方もいらっしゃるかと思います。

では、なぜ、色々なコメントが出てくるのでしょうか?

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理由は『学校側が明確な提示をしていないから』でしょう。

  
学校の方から「数字を書かないで解きましょう」という注意事項はありません。
もしも、書いてはいけないのであれば、注意事項として話しがあると思うので
簡単に考えると「数字を書いてもよい」という結論になります。

しかし、ここで疑問が出てきます。

まずひとつめは、『プリントは汚さない方がいい』と言われていることです。

これは、学校側が明確に提示はしていませんが、
汚い問題用紙は、躾を重視する学校では、減点されるかもしれません。

ポイント

プリントを見れば、だいたいその子がどんな姿勢でどんな風に問題を解いていたかが見えてきます。
要するに、回答用紙はその子を映す鏡とも言えます。また、ストレスが溜まっていると、プリントのしるしも雑になっていき、紙もくしゃくしゃになっていきます。子どもの心理状態もプリントを見ればわかるのです。


では、書きこんだ数字は汚れなのでしょうか?

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もちろん汚れではありません。

斜線を引いて数えてよいのと同様に
数字を書くことを「プリントを汚した」とみなす学校はないでしょう。

しかし、私は

「数字を書きこんでもよい」ので、数字を書いて練習しましょう!!

とは言えません。

数字で解答を書く学校(丸を書きましょうではなく、1,2といった数字で答えさせる学校)に関しては、数字を書きこんで良い。

ということはハッキリと言えます。

しかし多くの学校では、数字で回答させません

ここに、大事なポイントがあるのではないでしょうか。


なぜ、数字で回答を書かせないのでしょうか?

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理由は2つあります。

① 数字(計算)や文字は小学校に入ってから習うものだから。
② そもそも数字を使って解く問題を出題していないから。


①の理由は、
日本の小学校一年生の教科書を見るとわかります。
幼稚園で文字や数字の勉強をしてきたお子さんにとっては、びっくりするくらい簡単な教科書でしょう。

しかし学校では、一年生からしっかりと基礎を作っていくことが大切であると考えています。

ほとんどのお子さんが文字や数字、漢字も書けるとわかっていても、基本からしっかりと学ばせます。

先生によっては「ボク計算できるよ」という子を嫌がる場合もあります。

自己流ではなく、イチから学校で学んでほしい。
きちんとした基本をイチから身に着けるべきだ。
と思っていらっしゃいます。

ポイント!

算数にしろ、国語にしろ、
書ける、読める、計算ができるということだけを求めているのではありません。
探求心、好奇心、自分で考える力や行動力があってはじめて、
それらの基礎学習が生かされると考えています。

特に、国立大附属小学校の先生はこういった考えの先生が多いです。
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以前、国立大学附属小の先生にお聞きした時に
こんなことをおっしゃっていました。

『計算式を使わなくても解ける問題を出題しています。むしろ計算式を使わないで解くからこそ、その子どもが持っている本当の能力がわかるんです。
幼児期から足し算引き算掛け算割り算などの計算ができる子が、能力があり、将来伸びるという風には思っていないので、計算力をみる試験はしないのです。』

この先生の言葉から、②の理由とその答えが見えてくると思います。


小学校受験の数量の問題は、
計算式を使ったり、数字を書かずに解くことが前提となっています。
そして幼児にとっては、数式を使わない方が、速く正確に問題を解くことができることが多いのです。


例えば最初に例題に挙げた設問のように、
りんご9個、みかん7個が書かれていて、
「どちらがいくつ多いですか?」という設問を見た時に、
大人は『9-7=2』だから、 りんごが2個多い。
という計算式で答えてしまいますが、
幼児には、計算式で解くことを教えるのではなく、
数の考え方をじっくりと理解できるまで教えてあげることが、とても大切です。


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ポイント!

数字で解答しない学校では、問題用紙に数式が書いてあると、合否ラインぎりぎりになった場合、合否判定の減点の対象になってしまうことがあるかもしれません。(学校によって基準が変わります)自宅学習をする際には、そのことを考慮に入れて、準備されるとよいでしょう。特に公文や百マス計算などを学習しているお子さんは、気をつけましょう。


たとえば、中学校受験の算数の文章問題はとても難解ですが、実は中学校や高校で習う数学の数式を使うと簡単に解くことができたりします。
しかし回答用紙に数学の数式を書くことはありませんし、学校側もその子の持っている算数の能力(論理的思考など)をみたいと思って出題しているので、塾でも学校でも、小学生の算数の解き方で教えています。

小学校受験も同様です。

小学校で習う算数の数式を使って解いてほしいと、多くの学校は思っていません。

ですので、数量だけではなく、推理思考問題などを合わせた問題を出題する学校も多いのでしょう。



お受験対策【きせつのおべんきょう】


小学校受験の特殊なところのひとつは、

志望校によって採点基準が変わることです。

かつ、採点基準があいまいな点もあります。


倍率が高い学校に関しては、

ペーパーテストで取りこぼしのないようにすることが大切です。

ペーパーの汚れや、しるしの間違い、

また、しるしが雑に書いてあるために減点されてしまうことのないように

自宅学習でプリントの扱いに慣れておくことを心がけましょう

そして学校側の意向に沿って試験に取り組むことが求められます。



国立小学校合格バイブル
↑国立小学校を考えている方は、とても参考になると思います。


教室指導者からのメッセージ2019年度 東京学芸大学附属(大泉・小金井・世田谷・竹早)小学校
学芸大学附属小受験を考えている方は、読んでおきたい一冊です。

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【小学校受験】『模擬試験(オープンテスト)』は、いつからどこで受けるべき?

こんにちは。つくるです。

小学校受験にも【模擬テスト】があります。

私がよく受けた質問のひとつも、模擬試験についてでした。

模擬テスト、うちの子には、まだ早いですか?

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今回は模擬テストについてみていきたいと思います。


首都圏 私立・国立小学校合格マニュアル 入試準備号〈2020年度〉

『 模擬テスト、どこで受けるのがいいの?』

模擬テストには大きく分けて2つあります。

幼児教室(塾)で行うものと、それ以外(全統オープンなど)のものです。

『どちらがいいか?』は一概には言えませんが、

テストを受ける目的によって変える方がいいでしょう。

幼児教室で実施するテスト

理英会や伸芽会、ジャック、こぐま会など、
大手の有名お受験教室では毎月1回は「模擬試験」を実施しています。

実施する会社によって名前が変わりますが、志望校に特化した試験内容ではなく、総合力をみるテストについて、まず見ていきます。

ペーパー、制作、生活習慣、絵画、運動、集団遊び、面接など、様々な領域から出題されます。

[テストの目的]

・塾生がどれくらいの習熟度なのか?をみるため

・塾生の親御さんに「どこが足りないか?」を知ってもらうため

少しずつ、テストに慣れていくため

・自信をつけてもらうため

*「新しい入塾者を増やすため」という会社の事情もあります。


ですので時々
「〇〇教室の模試に行ったら、ほとんど教室の子ばかりで、みんな知り合い同士でビックリした」
と言う方がいらっしゃいますが当然のことなのです。
いわば塾生のためのテストなのです。


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塾以外で実施されるテスト

実は幼児教室が共催だったりしますが

塾で実施されるのではなく、会場が私立小学校で実施されるという点に大きな特徴があります。

[テストの目的]

テストに慣れるため

・お子さんの得手不得手を知るため

もちろん、参加してみたら知り合いがたくさんいた。ということもあるかもしれません。

ポイント!

「知らない先生が試験官をする中で試験ができる」ということと、「小学校」という幼児にとっては慣れていない実際の学校で試験ができるというメリットは大きいと思います。

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『模擬テストはいつから受けるのがいい?』


色々な考え方があるとは思います。

私は、新年長(年中9月)になってから一度受けてみる。

もしくは、年長クラスの4月になってから受けてみる。

というのがよいのではないかと思います。


具体的には

新年長になって、一度、模擬テストを受けることで、お子さんの足りないところと得意なところを確認する。
ことが大切だと思います。

うちの子、幼稚園でも家でも元気すぎるくらいだから、行動観察や運動は得意だろうな

と思っていたら、実は初めての場所では意外に緊張するタイプで、知らないお友だちや知らない先生と話すことができなかった。


かけっこは速いし、運動神経には自信があるのだけれど、どうしても競争心からか、速さばかりで動きが雑になってしまい、意外にも点数が伸びなかった。

もしくは

ペーパーテストあまり準備していなかったのに、思ったより点数が取れていてびっくりした。


など、テストを受けることでお子さまの力が客観視できます。

これからの準備をどう進めていくか。志望校をどこにするか。
ということを決めるためにも新年長になったら、
模擬テストを受けてみてもよいと思います。

ポイント!

気をつけてほしいことは、初めてのテストで一喜一憂しないでください。できたことは褒めてあげて欲しいですが、だからといって「絶対合格できる!」と思ったり、もしくは、できなかったといって「うちの子、ダメなのかな」と思わないでください。あくまでも練習と経験と準備のためです。

まだ準備を始めてから日が浅い。
というお子さんは
年長クラスの4月からでよいでしょう。

テストはいつもの教室で受けても意味がないの?

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初めてのテストは、いつも通っている塾のテストで十分です。
むしろ、いつも通っている教室で受ける方がよいと思います。
なぜなら、お子さんの負担が少ないからです。

以前、こんなご相談がありました。

初めてのテストを全く知らない場所で受けてしまい、緊張して、力も発揮できず、『もう二度とテストを受けたくない』と言って困っているんです。


まずは、外部のテストを受けずに、教室のテストを受けていただくようにしました。
知っている先生の顔を見るだけでも安心できます。
はじめは「ゼッケン」をつけると泣いてしまいましたが
だんだんと慣れていき、9月には他教室で試験を受けられるようになりました。


模擬テストは、早くから受ければよいわけではありません。

もちろん慣れるために受けることは大切ですが
お子さんの性格に合わせて、段階を踏んだ方が良い場合も多くあります。



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『 志望校別テストってなんだろう?』

模擬テストは「総合テスト」の他に「志望校テスト」があります。

志望校別テストとは

志望校別に特化した模擬試験です。
志望校が決まったら、受けてみることをお勧めします。

時々、志望校を決めるためにテストを受ける方がいます。
小学校受験の模擬テストは、点数が良かったからといって、合格できるというわけではありません。
あくまでも、習熟度を知ったり、テストに慣れるためのものだと考えます。
ですので、志望校テストの結果で判断しない方がよいでしょう。


「模擬テスト」と「志望校テスト」どちらを優先するべき?

どちらが良いかというのは少し難しいのですが、

志望校が私立の難関小学校の場合は、『志望校テスト』をしっかり受けておいた方がよいでしょう。

初めはいつもの教室でよいですが、
練習のためにも、できれば、通っている教室ではない場所で受けましょう。

知らないお友だちと先生に囲まれて試験を受けることが練習になります。

また、志望校別テストは、

その学校を受験するお子さんが集まります。

ここが大事なポイント!!です。

学校ごとに受験者の雰囲気が異なります。
子ども達やご家族も含めて特徴があります。

私たち講師は、お子さんやご家族を見ると
「この子は○○小を目指しているんだろうな」
ということがわかります。

ですので、

同じ志望校を目指す子どもたちの中で力を発揮できるようになること

が、志望校別テストの目的になります。



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『模擬テストを上手に活用するために大切なこと』

模擬テストがたくさんありすぎて、
いつ、どこで、どんなテストを受けたらいいかわからない。

情報もたくさんありますし、
口コミや色んな人の意見を読むと
ますます混乱するのが小学校受験です。

それは、本番の受験結果が点数化されず、合否の理由が明確に提示されないからです。

そして受験をする子が幼児であるため、
その時の環境や状況によって
平常心を保つことが難しく、心の揺れ具合が試験で表面化しやすいからなのです。

そういった点からも模擬テストは必要なものだと思います。

模擬テストの必要性


① 試験に慣れるため

「習うより慣れろ」といいますが、
試験の雰囲気は独特のものがあります。
ゼッケンひとつにおいても「慣れる」ことが大切です。
本番で力を発揮するためにも経験を積むことが必要です。


② 苦手なところ、得意なところを知るため

習熟度を客観的にみることが大切です。
「推理・思考」が苦手だな。
志望校で必須領域だから、明日からしっかり準備しよう。
というように、改めて確認することができます。

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模擬テストで気をつけること

① 結果に一喜一憂しないこと。

なかなか難しいことかもしれませんが、
とても大切なことです。

幼児教室では、4月に実施するテストは比較的簡単です。
まだ4月ですし、子どもたちもこれから力をつけていく段階にあります。

子どもたちに「できた」という自信をつけてもらいたい。
という気持ちもあります。

あくまでも「慣れる」ためのテストなので
できたかどうかではなく
できなかった科目こそが先生からのメッセージと捉えてください。


② 模擬テストを受けすぎないこと。

「毎週日曜日は模擬テスト」
というお子さんが時々いらっしゃいます。

「先生に勧められたり、他のお子さんが受けるという話しを聞くと焦って受けてしまいます。」というお話しも聞きます。


毎週テストで追い込まれたお子さんは、
試験間近になって急に崩れてしまうことがあります。


疲れとストレスで、絵画がグチャグチャになっていくお子さんもいます。

急に泣き出す子や、笑顔が全く無くなってしまう子もいます。

お母さまもいっぱいいっぱいになってしまい、
不安で毎日泣いてご相談される方も多くなります。


試験が近くなるとプレッシャーや不安から平常心でいられなくなります。
できない所が見つかると大声で怒鳴ってしまったり、泣き出すお母さまもいらっしゃいます。

大人でも不安ですのが、お子さんはなおさらです。小さな心が悲鳴をあげていきます。

不安な気持ちになったら、人に話して聞いてもらうことが一番です。
抱えずにそして子どもの前で穏やかにいるためにも
塾に通っている方は、先生に話しを聞いてもらいましょう。
嫌がる先生なんていません。大丈夫です。そのための先生でもあるのです。

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そして、そのようなことにならないためにも

あらかじめ計画をしっかりと立てることが大切です。


例えば・・・

今月はここでこのテストを受けることで、
子どもの習熟度を見る。
来月はここで、テストを受けることで
実践に慣れていく。

など計画を立てておくことをおすすめします。


仮に、他の教室のテストを受けて、
煽るような勧誘をうけたとしても
まず立ち止まって、あらかじめ立てた計画表を見てみましょう。

必要以上にテストばかり受けていないか?
そのテストは、自分の不安を解消するためだけのものになっていないか?

ということをしっかりと考えながら

今週の日曜日は家族で遊びに出かけるからリフレッシュできるし、
行動観察の習熟度が見たいから来週の日曜日は、このテストを受けてみよう。

というように冷静に判断していくことが大切です。

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国立大学附属小学校を受験する方

国立小学校は、日程が私立より後にあるため、志望校テストや模擬試験の取り組み方も少し変わります。

私立と国立、両方受験する場合

難関私立小学校を第一志望と仮定します。

まずは、私立小学校の準備を行いましょう。

「国立附属小学校の志望校テスト」は、秋からでもよいでしょう。

ポイント

準備はしっかりとしておくことが必要です。
どんな内容の試験なのか?
どんな子ども(家庭)を求めているのか?
面接の有無、作文の有無など
準備はしておきましょう。


なお、私立小学校と国立小学校のテスト内容が大きく異なるとき。

例えば、私立はペーパー難関校で
国立は、お茶の水女子附属小のように個別テスト重視校といった場合、
別途個別テストの準備が必要です。

国立大附属小のみを受験する場合

ペーパーテストがある国立小学校を受験されるのであれば、総合テストは、早めに受けておきましょう。
お子さんの苦手な問題を知るためです。
ペーパー問題が難関私立小ほど難しくないので、
取りこぼしや苦手を失くす必要があります。

✔ポイント

私立小学校の試験後に、私立小学校のために必死に準備をしてきた子どもたちが、国立小附属小の志望校テストを受けます。その時に、戸惑わず、周りに圧倒されず、持っている力を発揮するためにも、試験の雰囲気を経験しておくことが必要です。


私の経験上の話しですが、
国立大附属小学校のみ受験するお子さんで
『もう少し早く模擬試験や講習に来てくれていればなぁ』
と感じるお子さんも多くいらっしゃいました。

国立大附属小は色々なタイプのお子さんが受験されます。
人気もあり、倍率も高いです。
本番で力を発揮するために準備はしっかりおこないましょう。

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そして、どんな状況でも伸び伸びと力を発揮するためにも
模擬テストを上手に活用していきましょう。


「計画的に準備をする方法」

慶應幼稚舎・早実初等部・筑波小学校に合格する子育て〈書き込み式合格ノート〉 小学校受験の当日までに「なにをすればいいのか」がすべてわかる


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【小学校受験】運動が苦手なお子さんはスポーツクラブに通うべき?

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こんにちは。つくるです。

小学校受験において【運動】は必須領域のひとつです。

以前、幼児教室に勤めていた時によく聞かれた質問があります。

「先生、うちの子運動が苦手なんですが、スポーツクラブに入れた方が良いでしょうか?」

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今回は小学校受験の「運動」についてみていきたいと思います。

どんな試験内容なのかな? 

【基礎的な身体能力をみる運動】

平衡感覚をみる。両手を広げて片足立ち
(ふらふらせずに長く続けること)

走る(元気に思いっきり走る)

ケンケン、ケンパー、スキップ

横歩き、ギャロップ、ステップなど

跳ぶ、くぐる、しゃがむ、止まる

クマ歩き(四つん這いになって、ひざをつけずにおしりをしっかり上げ、素早く手足を動かす)
筑波大学附属小でよく出題されます。

【ボールを使った運動】

ボールつきや、ボール投げ(取り)

ドリブル、ボール蹴りなど

【リズムよく体を動かすことができるかをみる運動】

先生の叩く音に合わせて
ジャンプしたりしゃがんだり、体を動かすなど。

スキップもリズムが大事です。

☆また、音に合わせて体を自由に動かすなど
表現することを楽しむ試験もあります。

【指示行動が伴う運動】

先生の指示をよく聞いて
ルール通りに体を動かす。

「例題」
緑の線の上をケンケンしたら、ボールを的に当てて、青い線の上をスキップをして戻ってきてください。など

【 用具を使用する運動】

マット運動、跳び箱、平均台など


その他にも、順番を待つときの態度や姿勢、返事、ルールを守るなども考査の対象になります。
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ポイント!!

時々、運動が得意なお子さんで、ついついスピードばかりを重視しひとつひとつの動きが雑になるお子さんがいます。
例えばクマ歩きで、速いけれど、足がもつれて倒れ込んでいるということでは点数がもらえません。
しっかりと身体を使って動いているかをみていますので練習する時は、まずはスピードよりもしっかりと動くことができているかを重視しましょう。

どうして運動能力をみるのかな? 

それは幼少期においては、運動能力が高いほど、
『社会性、がまん強さ、リーダーシップなどが優れている』ということが、学術的に発表されているからです。


身体を十分に使った経験をたくさん積み重ねることで、
性格形成や心の健康にとても良い影響があると言われています。


ですので小学校の先生方は、

運動能力が年齢相応にしっかりと発達している子は、小学生になってからも勉強を頑張ったり、友達や先生と良い関係を築くことができ、充実した学校生活を送ることができる。そして運動遊びで得た自信や自己肯定感が、チャレンジ精神や、行動力、好奇心につながっていき、それが周りの子ども達にも良い影響を与える。

という考えのもと、試験を考査しているのです。


やっぱり、スポーツクラブに通った方がいいの? 

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「最近の子は、体力がなくなった」

このような話しを耳にしたこともあると思います。

確かに、昔と比べると
体の使い方がぎこちないお子さんが増えているように感じます。
基礎体力がついていないと年齢に相応した運動能力は身に付きません。

社会生活が便利になり、歩いたり走ったり上ったり下りたりという基本的な動作を積み重ねる機会が減っていることも事実でしょう。


小学校受験での運動は、そんなに難しいテストではありません。

ですので、

小学校受験のために「スポーツクラブ」に通う必要はない。

と私は考えます。

ただ、あくまで、
ある程度運動ができるお子さんが、
小学校受験のために、さらに「スポーツクラブ」に通う必要はない。

と、いうことです。

ポイント

日常生活の中で、親子で体を動かしたり、兄弟姉妹と一緒に体を動かして遊んだり、お友だちと思いっきり外遊びを楽しんだり、日頃から身体を使って伸び伸び遊んでいるお子さんは、あえてスポーツクラブに通わなくてもよいと思います。
しかし、試験内容に出てくる「運動」の練習をする必要は、あります!

運動が苦手な子は、どうすればいいの?

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まずは、日常生活でたくさん歩いたり走ったり、階段を上ったり下りたり
親子で楽しく身体を動かす機会を多くつくることが大切だと思います。

また、運動が嫌いなお子さんは、
『運動しよう』と言わずに『一緒に遊ぼう!』と声をかけてあげましょう。

探検ごっこや、外に出て季節のものを探しに歩いたり。

歩くだけでも楽しい運動です。

例えば、幼児教室では・・・

運動が苦手なお子さんが

少しでもできるようになると「そう!できてるよ!!」

と、ものすごく褒めて、

「すごいね!やったー!!」とハイタッチしたり

とにかく楽しく、そして肯定感と満足感をこれでもか!

と感じられるように声掛けをしていました。

『大げさに褒める』ことが自信につながり

「身体を動かすことって楽しいな」
「もっとできるようになりたいな」
「次もチャレンジしてみよう!」

と好奇心や意欲につながっていくのかもしれません。

しかし、そうは言っても、

自宅でご両親が体力を身につけさせるのは大変・・・

一緒に遊んであげる時間がない。もしくは、子どもが運動したがらない。

という方はスポーツクラブに通うのもひとつの方法です。


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以前こんなお子さんがいらっしゃいました。

運動が苦手なお子さんで、運動が嫌い言っていたのですが
『水泳ならやってみる』ということで、
水泳教室に通いはじめました。

数か月で、すぐに成果はありました。

基礎体力がついたことで、運動能力が発達し、

体を動かすことを嫌がらなくなりました。

疲れなくなったことで、集中力も増しました。


運動に対する苦手意識が払しょくされたことで
その他の試験項目への取り組みに自信が出てきました。

一番顕著だったのは、行動観察の集団遊びです。

積極的に参加して友だちに声をかける姿も見られるようになりました。

幼少期において「運動ができる」ということは、大きな自信につながります。そして周りから「すごい」と認められることで、やる気と積極性につながるのだと思います。



『生活の中から育まれる力が大切です。』


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【国立大学附属小学校】合格する子に共通点があるって本当?~小学校受験対策~

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こんにちは。つくるです。

さて今回は、国立大学附属小学校について書きたいと思います。

国立大附属小学校ってどんな学校があるの?

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学校名と試験内容を簡単にみていきましょう。

【首都圏の国立大附属小学校】

筑波大附属
お茶の水女子大附属
東京学芸大附属(大泉・小金井・世田谷・竹早)
埼玉大附属
千葉大附属
横浜国立大附属(鎌倉・横浜)

最近の特徴

クラス編成の変更に伴い募集人数が減少しています。
しかし、受験をするご家庭は多いですので
倍率は高くなっています。

国立大学附属といっても
問題の出題傾向はそれぞれ異なります。
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【 ペーパーテストありの学校】

筑波、学芸大大泉・小金井・世田谷、

埼大附属、千葉大附属、横浜国大附属横浜

【ペーパーテストなしの学校】

お茶の水大附属、学芸大竹早、横浜国大附属鎌倉

☆集団テスト、個別テスト、運動テストを実施

また、国立大附属小では公平を期すために試験後「抽選」が実施されます。

なお、筑波大学附属小とお茶の水女子大附属小では、保護者に作文の課題が出されます。ご両親の教育に関する意識の高さと、学校の方針を理解し協力するご家庭かどうかをみています。また、学芸大竹早小では、親子の関りを見る『親子課題』が出題されます。


試験内容は異なりますが、国立大学附属小の教育方針には同一のものがあり、
考査で重要視するポイントにも共通点が多くあります。

ポイント

ちなみに国立小学校のペーパーテストは
それほど難問ではありません。
領域もバランスよく出題されており、
ひっかけ問題もほとんどありません。
ですので、ペーパーは取りこぼさず、全問正解を目指すことが求められます。


国立大附属小学校が求める子ども像

学校側が求める子ども像には、共通点があると思います。

どんなお子さんが合格しているのかな?

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まず一番の特徴は『総合力』が求められること。

さきほども書きましたが、ペーパーは難解な問題ではなく、私立の難関校を目指しているお子さんは、スムーズに解けると思います。

学校側が最も重要視しているのは
ペーパーの知識よりも

「社会性」や「行動力」です。

具体的には

言語、認識能力、集団での適応力や発表力、社会常識が身についている子。

そして

好奇心旺盛で、自分のことは自分でやるといった自立心のある子。
自分で考えて行動しようとする自律心がある子。

こういった『生きる力』を持ったお子さんを求めていると感じます。


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例えば、お茶の水小の個別テストでは、
粘り強く考えて答えを導き出そうとする姿勢や自分の言葉でしっかりと受け答えができることが求められます。

でも、こんなことを耳にしたこと、ありませんか?

国立大附属小の合格者は
年度によってタイプが異なる。
もしくは、色んなタイプの子が合格する。
元気があれば、特に準備しなくても合格できる。

はたして本当でしょうか?

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あくまでも私の経験からですが、

筑波大学附属小、お茶の水女子大附属小に合格した子は、プリントも行動観察も運動もよくできるお子さんが多いと思います。
特に、筑波小はリーダータイプでペーパーもよくできるお子さんばかりです。

「あ、やっぱり合格したのね!」

と、みんなが納得する「よくできる」お子さんです。


あくまでも私個人の意見ですが、

色々なタイプのお子さんや、年度によってタイプを変えて合格させているようには全く感じませんでした。


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しいて言えば、学芸大附属小でしょうか・・・

年度によってタイプを変えているとは思えませんでしたが、

個性的なお子さんが合格されることが時々ありました。

ですので幼稚園のお母さま方の間で

「え?あの子が?」

なんて言われてしまうことがあったのかもしれません。


とはいえ、しっかりと話しを聞いて問題を解く力は必要です。

個性的だからといっても、
試験問題ができないならば合格はいただけません。


ただ、私たち講師はこんな風に感じることもありました。

『この子、ちょっと面白い発想するなぁ』

『個性が強い子だから私立は難しいかもしれないけど、学芸大附属小の先生が好きそうだなぁ』


つまり
「色んなタイプのお子さんが合格する可能性が、比較的高い学校である」
と、感じます。


なぜかは、はっきりとは言えませんが

教員を育成し、教育を研究する機関でもある学校なので、
他の小学校に比べると、個性的なお子さんなど、色んなタイプの子どもたちが合格しやすい傾向があるのかもしれません。

とはいえ、やっぱり

『この子はきっと合格するだろうな』

と思われる子が、合格をいただけることが
圧倒的に多いことに間違いはありません。


ですので、学校の傾向と対策をしっかり把握し準備することが大切です。

お子さんが持っている力を十分に発揮するためにも、しっかりと練習し、経験を積み重ねておきましょう!



国立小学校合格バイブル
↑ 国立小向けの受験対策本です。おすすめです。



教室指導者からのメッセージ2019年度 東京学芸大学附属(大泉・小金井・世田谷・竹早)小学校
学芸大学附属小受験を考えている方は、読んでおきたい一冊です。



小学校受験の心構え』について書きました。
tsukuruno.hatenablog.com



『私立難関校のお子さんの共通点』に関しては、こちらをご参照ください。
tsukuruno.hatenablog.com



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