つくるのブログ 小学校受験の道しるべ

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元お受験講師が小学校受験について書きつづります

【実例】賢い子は手先が器用?小学校受験の巧緻性

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こんにちは。つくるです。
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小学校受験では、様々な考査が行われます。

その中でも【巧緻性】は、ほとんどの学校が考査項目に入れています。

なぜ学校は巧緻性(手先の器用さ)を見るのでしょうか。


以前、私立小学校の先生とお会いした時のこと。

「なぜ巧緻性を見るのですか?」とお聞きしたところ、

『巧緻性が優れている子は、賢い』

という学術的な定説があるので、必須項目にしています。と、おっしゃっていました。

ポイント

小学校受験の様々な試験項目は、就学前の子どもを様々な角度から見ることで、その子の持っている潜在的な能力を測っているのです。

確かに、巧緻性が良くできるお子さんは
賢いお子さんが多いと思います。

じゃあ巧緻性が苦手な子は賢くないの?なんだか違和感があるなぁ。

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以前、私のクラスにいたお子さんのお話しです。

A君は早生まれで、体も小さく、運動や巧緻性(制作)が苦手でした。

しかし、とても素直で頑張り屋さんのA君は、
教室でも自宅でも「できるようになりたい」と、一生懸命練習していました。


ようやく夏期講習くらいから、

ボール投げやボールつきなどが上手になっていきました。

運動が得意になると、集団遊びでも伸び伸びと参加できるようになりました。
『自信がついてきたんだなぁ』と私たちも嬉しく思いました。

色を塗ったり、ちぎったり、切ったりする制作も
段々とスムーズにできるようになりました。

なんとか他のお子さんに追いついてきたのですが
ひとつだけ、どうしてもできないことがありました。

蝶結びです。

何度練習しても、上手くいきません。


もうすぐ夏休みも終わりに近づいたころ
絵画クラスに来たA君の『クレヨン』を見ると
箱の横に紐がついていて蝶結びで留められています。

蝶結びをほどいてクレヨンのふたを開け
終わると蝶結びをして留める。

その後の授業でも
クレヨンを使うたびに蝶結びをほどいて、終わると結ぶ。

クレヨンは幼児教室では頻繁に使用します。

A君は授業を受けながら
そのたびに蝶結びの練習をしていました。

私がA君にクレヨンの箱のことを聞くと

「僕とお母さんで考えたの」
「どうしてもできるようになりたいから」

という答えが返ってきました。


私は、A君のようにどんなことにも
一所懸命努力することが、手先の器用さよりも大事なことなんだと思うのです。
どうか学校の先生も、できることを見るだけではなく、できるようになった過程を見ていただきたい。と心から思った記憶があります。


A君は時間はかかりましたが、10月になると、蝶結びがとても上手になりました。

クレヨンの箱の紐はリボンになったり
細いタコ糸になっていたりと、変化をしていきました。


そしてA君は、無事に第一志望の超難関校に
合格することができました。

『努力が実るとは、こういうことなんだ』

と、私はA君から多くのことを学びました。

ちなみに本番の考査では蝶結びは出なかったそうです。

それでもきっと、努力をしてできるようになった喜びやその過程は、試験に生かされていたのだと感じました。

そして、彼のこれからの未来の糧になっていくのだと私は思います。

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ところで、巧緻性ってどんな試験内容なの?

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小学校受験【巧緻性テスト】実例をみてみましょう

【課題】お弁当づくり

『机の上に用意されている材料と道具』
上の方に2か所穴の開いたブロッコリーが書かれた台紙、おにぎりが描かれた台紙、黄色い折り紙(1/2サイズ)、丸いシール、綴じ紐、クーピーペン、ステックのり

1.台紙のブロッコリーを緑のクーピーペンで塗りましょう。
2.おにぎりの台紙を線に沿ってちぎりましょう。
3.黄色い折り紙を筒状に丸めて玉子焼きを作りましょう。
4.台紙の右上に玉子焼き、右下におにぎりを貼りましょう。
5.台紙の左上に丸シールを貼り、緑のクーピーペンでヘタを描いてミニトマトにしましょう。
6.台紙の上の穴に綴じ紐を通して、蝶結びをしましょう。


1~3で、塗る、ちぎる、貼る、丸めるなど制作から手先の器用さをみています。特に、小さい折り紙をキレイに筒状に丸めるのは難易度が高いです。

4~5では、上下左右の位置を理解しているかも見ています。また、ミニトマトとはどういうものなのか?常識問題も入っています。

6は、巧緻性です。蝶結びがスムーズにできるかを見ています。


2017年に筑波大学附属小で出題された問題です。巧緻性と制作を合わせています。

ポイント

机の上にこれだけたくさん材料が置かれていると、のりの蓋を落としたり、材料がぐちゃぐちゃになってしまうお子さんも多いと思います。机の上を整えながら、時間内に完成させることが大切です。
また、どんどん出される指示をしっかり聞くには、ひとつひとつの作業のスピードが求められます。流れについていくことが大切です。

このように制作と一緒に行われたり
『エプロンをつけて後ろでエプロンの紐をむすび、机の上を布巾で拭いて食事の準備をしましょう。』とういうような、生活習慣の中で巧緻性を見ることも多いです。

学校は、ひとつの試験科目から様々なことを見ているのです。

「こぐま会」巧緻性の練習教材です。
教材を買わなくても、自宅で手作りできます。はさみの練習は紙の厚みも考慮しましょう。分厚すぎたり、折り紙のように薄い素材は苦手な子には難しいので気をつけましょう。90kの厚みが一般的です。


できるよ!  せいかつ366 (頭のいい子を育てる)

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最後までお読みいただきありがとうございました。