つくるのブログ 小学校受験の道しるべ

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元お受験講師が小学校受験について書きつづります

【小学校受験ペーパーテスト数量】プリントに書きこみ(数字など)をしていいの?

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こんにちは。つくるです。

少し体調を崩してしまい、お休みしていました。

今回は、数量の問題に関するお話しです。

この前、このような質問をいただきました。

数量の問題を解く時、プリントに数字や数式を書いてもいいのですか?

具体的に例文をあげてみます。

りんご9個、みかん7個が書かれていて、
「どちらがいくつ多いですか?その数だけ丸をかきましょう」
という設問を解くときに

数を数えて問題用紙のリンゴの下に9と書き、
バナナの下に7と書くことが…

アリかナシか?

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『うちの子は、数字を書いていたけれど合格できました!』

『数字を書かない方がいいと言われて、数字を書かずに解く練習をしています!』

人によって様々なコメントが返ってきますので、
なおさら混乱する方もいらっしゃるかと思います。

では、なぜ、色々なコメントが出てくるのでしょうか?

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理由は『学校側が明確な提示をしていないから』でしょう。

  
学校の方から「数字を書かないで解きましょう」という注意事項はありません。
もしも、書いてはいけないのであれば、注意事項として話しがあると思うので
簡単に考えると「数字を書いてもよい」という結論になります。

しかし、ここで疑問が出てきます。

まずひとつめは、『プリントは汚さない方がいい』と言われていることです。

これは、学校側が明確に提示はしていませんが、
汚い問題用紙は、躾を重視する学校では、減点されるかもしれません。

ポイント

プリントを見れば、だいたいその子がどんな姿勢でどんな風に問題を解いていたかが見えてきます。
要するに、回答用紙はその子を映す鏡とも言えます。また、ストレスが溜まっていると、プリントのしるしも雑になっていき、紙もくしゃくしゃになっていきます。子どもの心理状態もプリントを見ればわかるのです。


では、書きこんだ数字は汚れなのでしょうか?

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もちろん汚れではありません。

斜線を引いて数えてよいのと同様に
数字を書くことを「プリントを汚した」とみなす学校はないでしょう。

しかし、私は

「数字を書きこんでもよい」ので、数字を書いて練習しましょう!!

とは言えません。

数字で解答を書く学校(丸を書きましょうではなく、1,2といった数字で答えさせる学校)に関しては、数字を書きこんで良い。

ということはハッキリと言えます。

しかし多くの学校では、数字で回答させません

ここに、大事なポイントがあるのではないでしょうか。


なぜ、数字で回答を書かせないのでしょうか?

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理由は2つあります。

① 数字(計算)や文字は小学校に入ってから習うものだから。
② そもそも数字を使って解く問題を出題していないから。


①の理由は、
日本の小学校一年生の教科書を見るとわかります。
幼稚園で文字や数字の勉強をしてきたお子さんにとっては、びっくりするくらい簡単な教科書でしょう。

しかし学校では、一年生からしっかりと基礎を作っていくことが大切であると考えています。

ほとんどのお子さんが文字や数字、漢字も書けるとわかっていても、基本からしっかりと学ばせます。

先生によっては「ボク計算できるよ」という子を嫌がる場合もあります。

自己流ではなく、イチから学校で学んでほしい。
きちんとした基本をイチから身に着けるべきだ。
と思っていらっしゃいます。

ポイント!

算数にしろ、国語にしろ、
書ける、読める、計算ができるということだけを求めているのではありません。
探求心、好奇心、自分で考える力や行動力があってはじめて、
それらの基礎学習が生かされると考えています。

特に、国立大附属小学校の先生はこういった考えの先生が多いです。
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以前、国立大学附属小の先生にお聞きした時に
こんなことをおっしゃっていました。

『計算式を使わなくても解ける問題を出題しています。むしろ計算式を使わないで解くからこそ、その子どもが持っている本当の能力がわかるんです。
幼児期から足し算引き算掛け算割り算などの計算ができる子が、能力があり、将来伸びるという風には思っていないので、計算力をみる試験はしないのです。』

この先生の言葉から、②の理由とその答えが見えてくると思います。


小学校受験の数量の問題は、
計算式を使ったり、数字を書かずに解くことが前提となっています。
そして幼児にとっては、数式を使わない方が、速く正確に問題を解くことができることが多いのです。


例えば最初に例題に挙げた設問のように、
りんご9個、みかん7個が書かれていて、
「どちらがいくつ多いですか?」という設問を見た時に、
大人は『9-7=2』だから、 りんごが2個多い。
という計算式で答えてしまいますが、
幼児には、計算式で解くことを教えるのではなく、
数の考え方をじっくりと理解できるまで教えてあげることが、とても大切です。


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ポイント!

数字で解答しない学校では、問題用紙に数式が書いてあると、合否ラインぎりぎりになった場合、合否判定の減点の対象になってしまうことがあるかもしれません。(学校によって基準が変わります)自宅学習をする際には、そのことを考慮に入れて、準備されるとよいでしょう。特に公文や百マス計算などを学習しているお子さんは、気をつけましょう。


たとえば、中学校受験の算数の文章問題はとても難解ですが、実は中学校や高校で習う数学の数式を使うと簡単に解くことができたりします。
しかし回答用紙に数学の数式を書くことはありませんし、学校側もその子の持っている算数の能力(論理的思考など)をみたいと思って出題しているので、塾でも学校でも、小学生の算数の解き方で教えています。

小学校受験も同様です。

小学校で習う算数の数式を使って解いてほしいと、多くの学校は思っていません。

ですので、数量だけではなく、推理思考問題などを合わせた問題を出題する学校も多いのでしょう。



お受験対策【きせつのおべんきょう】


小学校受験の特殊なところのひとつは、

志望校によって採点基準が変わることです。

かつ、採点基準があいまいな点もあります。


倍率が高い学校に関しては、

ペーパーテストで取りこぼしのないようにすることが大切です。

ペーパーの汚れや、しるしの間違い、

また、しるしが雑に書いてあるために減点されてしまうことのないように

自宅学習でプリントの扱いに慣れておくことを心がけましょう

そして学校側の意向に沿って試験に取り組むことが求められます。



国立小学校合格バイブル
↑国立小学校を考えている方は、とても参考になると思います。


教室指導者からのメッセージ2019年度 東京学芸大学附属(大泉・小金井・世田谷・竹早)小学校
学芸大学附属小受験を考えている方は、読んでおきたい一冊です。

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