小学校受験のプリント学習方法【お話の記憶】ペーパーテスト対策①
ほとんどの小学校受験で行われるペーパーテスト
どんな問題が出題されるのでしょうか?
大きく分けると7つになります
【お話の記憶】【数量】【常識】 【言語】
【推理・思考】【記憶・構成】【観察力】
できるようになるまで時間がかかる
【お話の記憶】を見ていきましょう!
年齢別に分けましたが、5歳のお子さまも4歳、3歳の項目を振りかえって確認してみてくださいね。
「お話の記憶」ってどんな問題?
「お話の記憶」ってどんな問題?
録音された音声、もしくは先生の読み上げるお話を聞いた後に設問に答えるペーパーテストのことです。
現在ほとんどの学校が録音音声です。
出題頻度が非常に高く
国立私立問わず、幅広い学校で出題されます。
文字数は、1000字程度の学校が多いですが、
雙葉小学校のようなペーパー難関校になると、
長くなり内容も複雑になります。
ペーパー問題の中で準備が早ければ早いほどよいのが
「お話の記憶」です。
つまり習得するのに時間がかかる領域なのです。
「お話の記憶」を解くために必要な力とは?
「お話の記憶」を解くために必要な力とは?
1.集中力
耳で聞いて、記憶して、考えて、理解する。
相当な集中力が求められます。
まずは集中力を養うことが大切です。
2.記憶力
最初に出会った動物がくまで、次に会った動物がりすで
といったような記憶する力が問われます。
3.理解力
お話しを聞いて、内容を理解できるか?が問われます。
国語力の基礎、考える力の基礎が試されます。
4.総合力
お話の記憶は総合問題です。
設問の中に、数や常識、位置などを問う設問も含まれます。
また「あなたならどうしますか?」といったような
内容を理解したうえで意見を述べるような問いが出されることもあります。
「お話に出てこなかったものに丸をつけましょう」
など、ひっかけ問題もだされるので、
設問をよく聞くことも求められます。
聞く力、考える力、想像力など
あらゆる力が試されます。
これが、お話の記憶を出題する学校が多い理由でしょう。
この4つのポイントが身につけば、難問も解けるようになります。
お話を聞いている時の姿勢や態度も学校は見ています。気をつけましょう。
年長さんになってから、いきなり長い話を聞いても、
なかなか解けるものではありません。
それこそ苦手意識がついてしまい、話を聞くのも嫌になっていきます。
お話の記憶は問題に慣れることが必要です。
年少さんくらいから準備をしておくとよいでしょう。
どんな準備をしたらいいの?
では年齢別にみていきましょう。(あくまでも目安です)
3歳の準備・学習方法
3歳の準備・学習方法
【色・形・数を身につけよう】
『色について』
クレヨンを並べて、これが赤!これが茶色!
というやり方ではなく
「トマトは赤いね」
「天気がいい日は空が青いね」と、
日ごろの会話に色を取り入れていきましょう。
物の名前も一緒に身につきます。
『形について』
まる、さんかく、しかくとはどういうものなのかを知りましょう。
こちらも日頃から「このビスケット、丸いね」「お豆腐は白くて四角いね」
と親子の会話に取り入れていきましょう。
丸いもの探しや三角探しなど、ゲーム感覚で楽しむのもよいでしょう。
『数について』
12345...と言えるかどうかではなく
「5個持ってきて」とお願いしたら、
きちんと「5個」持ってこれるかが大事です。
例えば、同じ数ずつ分けるとはどういうことなのかを自然に身につけるために
日頃から「お母さんとA子ちゃんで一個ずつ食べようね」と言ったり、3人で同じ数に分けようね。と3人分のお皿を用意してクッキーを分けるなど、
数をたくさん数えることよりも、数がどんな風に使われるのかを知ることが大切です。
その他にも
「長い短い」とはどういうことなのか?
「きりんの首は長いね!」とか
長いリボンと短いリボンを並べて
「今日は短いリボンで結ぼうね」というように
長い短いとはどういうことなのかを身につけましょう。
「位置」について理解することも大切です。
上下真ん中を身につけておきましょう。
【指示行動を練習しよう】
言葉の意味がわかっていないとお話の記憶・理解は解けません。
『くまさんにみかんを3つあげてから、黄色いお皿からイチゴを2つ持ってきてね』
など、玩具やぬいぐるみなどを使って
遊びながら指示を聞いて理解する練習をしていくとよいでしょう。
お話を聞くことに慣れておくため、絵本の読み聞かせを楽しみましょう。何度も絵本を読むことで自然に言葉を理解することができます。お話を聞く習慣も身につきます。
4歳の準備・学習方法
4歳の準備・学習方法
☆重要☆【解き方・教え方】
では、実際にどうやって教えたらいいのでしょうか?
例文を見ながら具体的にお話ししましょう!
【例文】
『黄色い帽子をかぶった女の子がチューリップ2本を持って歩いてきました』
という話しを聞いて、女の子の様子を頭の中に映像化する練習をします。
聞いたことを頭の中でイメージできないと、プリントの問題を解くことができません。
また、覚えるポイントをつかむこともできません。
「何色だったかな?」「何を持っていたのかな?」「急いでいたのかな?」
と質問することによって、聞いたお話しを
頭の中でイメージする練習と、覚えるポイントをつかんで記憶する練習ができます。
まずは頭の中で、一枚の絵を描く練習を繰り返します。
それができるようになったら
今度は
『黄色い帽子をかぶったゆきちゃんがチューリップ2本を持って歩いていると、幼稚園の前で、たかしくんに会いました。』
とお話を長くして、頭の中の絵(写真)を1枚増やす練習をします。
紙芝居を作るような感じで、
子どもは頭の中にお話の絵を描けるようになります。
これができるようになったら
次は
『黄色い帽子をかぶったゆきちゃんがチューリップ2本を持って歩いていると、幼稚園の前で、たかしくんに会いました。たかしくんは、どんぐりを2つ持っていて、ゆきちゃんにひとつあげました。ゆきちゃんは「ありがとう」と言って、持っていたチューリップを1本あげました。』
どんぐりとチューリップをひとつずつ交換する場面の紙芝居が頭の中に追加されます。
段々と複雑な場面も映像化できるようになります。
お話の場面ごとに、頭の中で紙芝居の絵を作ることができるようになります。
まずは一枚の絵をイメージするところからはじめましょう!
【ものの名前を知ろう!】
お話の内容をイメージするためには、出てくる物を知っていないといけません。
先ほどの例文ですと
「チューリップ」や「どんぐり」を知らないと、頭に紙芝居が描けません。
そのためには、本物を目で見て触って、
どんなものか知っている事が大前提になります。
図鑑などで見るよりも
まずは実際にお花屋さんや花壇のチューリップを見て
匂いを嗅いだり五感で知っておくことが大事です。
おうちに帰ってから、先ほど見たものを図鑑で調べて確認しましょう。
【言葉の意味を理解しよう】
「〇〇より長い」「同じ数ずつ分ける」「上から二番目」「右左」など
より、ずつ、から などの言葉の意味を理解し使えるように、
日頃から意識して会話に取り入れましょう。
「左右」も4歳くらいから習得しましょう。
【プリント問題に取り組もう】
4歳くらいからプリントで問題を解く練習をしていきましょう。
今までは玩具などを用いて指示行動で行ってきたことを今度はプリントを用いて解いていくのです。
耳で聞いて答える練習をくり返します。
最初は絵を見ながら行います。
例えば
「くまさん、きつねさん、りすさん」この中でいちばん小さな動物はどれですか?
一番小さいと思う動物に黄色いおはじきを置きましょう。
というように、筆記用具は使わなくてよいので
耳で聞いた設問にプリントを見て答える練習をしましょう。
慣れてきたら、絵を見ないで、簡単な問題を解いてみましょう。
形が書けるようになったら、クレヨンを用いて問題を解く練習をしましょう。
線を引いたり、丸や三角、四角などを書く練習も始めましょう。
はじめはクレヨンを使います。姿勢やクレヨンの持ち方を正しく身につけることも大切です。
速く書くことよりも丁寧に形を書くことを大事にしましょう。
4歳からの問題を聞き取る練習をするための問題集ですCD付。
みぎ・ひだりは4歳からはじめるとよいでしょう。
ひとりでとっくん25 聞き取り練習1
ひとりでとっくん30 みぎ・ひだり
5歳の準備・学習方法
5歳の準備・学習方法
まだ慣れていなかったり、苦手なお子さまは
少し上に書いてある
4歳の学習方法☆重要【解き方・教え方】
を読んでみてください。
具体的な練習方法が書いてあります。
【 ペーパーテストで大切なこと】
5歳くらいから、本番の試験を念頭に取り組んでいきます。
まずは、ペーパーテストで大切なことをチェックしましょう。
✔ 姿勢は正しいですか?
✔ 筆記用具はスムーズに正しく使えますか?
✔ 長時間座ることに慣れていますか?
✔ プリントをスムーズにめくれますか?
✔ プリントや机の上を汚していませんか?
✔ 問題を聞く集中力は身につきましたか?
★学習を進めながら、これらのポイントを確認しましょう。
【長文を解いてみよう】
プリントは内容が複雑になり、お話も長くなります。
まだはじめたばかりの子、苦手な子は
「4歳の学習方法」の
【解き方・教え方】を読んでみてくださいね!
長文を聞いて問題を解くために
一枚ずつ、頭の中の紙芝居を
増やしていく練習を続けます。
(やり方は4歳の解き方・教え方を見てね)
話の内容や出てくる言葉も複雑になりますので、
出てきた言葉の意味や実物を知っていることが大切になります。
お子さまが、きちんと頭の中にイメージできているかどうかを
必ず確認しましょう。
【なぜ間違えてしまったのかな?】
なぜお子さまが間違えたのかをお父さんお母さんが知っておくことが大切です。
それによって何をすべきかがわかります。
もしも上手くイメージできていないのなら
頭に描けなかった理由を知ることが必要です。
長文になったことで、頭の紙芝居が作れなくなっているのであれば
ゆっくりでよいので、何度も繰り返し問題を解いて慣れていきましょう。
ものの名前の意味がわからないのであれば
実物を見たり図鑑を見たりして、確認してみましょう。
言葉がまだ理解できていないのであれば
『右から2番目の引き出しからおはじき10個持ってきてね』
と日常的に言葉を使うようにしましょう。
【試験を想定してますか?】
先ほどの「ペーパーテストのチェック項目」を念頭において問題に取り組みます。
また本番を想定して、訂正方法をしっかり聞き取る練習も必要です。
色々な種類の訂正方法に慣れていきましょう。
録音音声に慣れましょう。
最近は録音した音声を流す学校が多くなりました。
いつも同じ人の声で練習していると対応できなくなります。
ご両親以外の方の声で練習することも大切です
【志望校の出題方法で練習しよう】
学校によって出題方法も変わってきます。
スクリーンを見ながらお話を聞く学校や
立教小学校のように、筆記用具を用いない学校もあります。
聖心女子学院のように、設問ごとに筆記用具の指示が変わる学校もあります。
志望校の出題形式に合わせた学習を進めていきましょう。
ただし、今年も例年通りとは限りません。
ひとつの形式だけではなく、
色々な出題形式も取り組みましょう。
色々な筆記用具に慣れていきましょう。
クーピー、鉛筆、ラッションペンなど様々です。道具によって筆圧が変わります。
【スランプかな?そんな時は】
今までできていたのに、最近急に間違えが増えてきた。
というお子さまもいらっしゃいます。
他の項目(数や常識など)と異なり、
「お話の記憶」はスランプに陥ることがあります。
今までできていたのに、できなくなった場合は
集中力が落ちている。やる気が下がっている。
などの原因が考えられます。
外に出て、思いっきり遊びましょう!
子どもだってリフレッシュが必要です。
少し日にちを開けてから
簡単な問題を解いてみてください。
簡単な問題を解いて「できた」という自信をつけてあげてください。
今まで積み重ねてきたものが無くなってしまったわけではないので焦らずに。
2、3日の間、プリントではなく、絵本の読み聞かせをしてみましょう。
あまり質問したりせず「お話」を親子で楽しんでみてください。
今回説明した「お話の記憶」は集団テストを想定して書いています。学習院初等科などのように個別テストで実施する学校もあります。
お子さまの頭は大人とは違って
とてもやわらかいので、
頭の中でイメージすることができるようになります。
お話の記憶は毎日の積み重ねが大切です。
集中力と慣れが必要です。
焦らずに練習していきましょうね。
5歳からの「お話の記憶」問題集です。
こぐま会の問題集は他教室の講師も参考にしています。
ひとりでとっくん14 お話の内容理解1
ひとりでとっくん15 お話の内容理解2
☆内容だけでなく、お値段もお手頃なのでおススメです☆
『国立大附属小学校の受験対策です』